就労継続支援B型事業所では、利用者さんが生産活動で得た報酬のことを「工賃」と呼びます。
本記事では、就労継続支援B型の利用を検討されている方やすでに利用している方に向けて、就労継続支援B型の「工賃」について詳しく解説します。
就労継続支援B型の作業内容と「平均工賃」
就労継続支援B型は、雇用契約を結んで就労することが難しい方が、企業などと雇用契約を結ばずに生産活動(就労訓練)を行える場所です。
具体的な作業内容には、下記のようなものがあります。
■ミシン作業や手工芸
■農作業
■清掃
■衣類のクリーニング
■飲食店での調理・製菓
就労継続支援B型では雇用契約を結ばずに作業を行うため、何かしらの生産活動に対しての成果報酬という形で、工賃が支払われます。
厚生労働省の「令和3年度工賃(賃金)の実績について」によると、B型の令和3年度の平均工賃(賃金)は16,507円でした。
就労継続支援B型の工賃の「決め方」
就労継続支援B型事業所の工賃は、下記の計算式をもとに求められます。
「利用者さんの生産活動で事業者が得た収入」ー「生産活動に必要な支出」
上記の計算式により算出された金額を事業者が作る「工賃規定」に基づいて、利用者さんに工賃として分配されるのです。
工賃規定とは、工賃の支払方法(月給制、日給制、時給制など)や支給日、作業時間などをまとめたものを指します。
就労継続支援B型で「工賃アップ」を目指す方法
就労継続支援B型事業所では、利用者さんの支援ニーズに合った生産活動に取り組んでもらうため、大幅に工賃を上げることは難しいと考えられます。
しかしながら、下記のような方法で工賃アップを目指すことは可能です。
□通所日数を増やす
□作業時間を増やす
□工賃が高い事業所に通う
日給制のB型事業所であれば通所日数を増やすことで、時給制のB型事業所であれば作業時間を増やすことで、工賃をアップさせることができます。
また工賃が高い事業所を選ぶことも、工賃を上げる手段として有効です。
就労継続支援B型事業所の工賃実績は、各都道府県のホームページで公表されています。
工賃の高い事業所に通いたい方は、お住いの都道府県の該当ページを参考にしてみてください。
ただし注意点として、工賃が高い事業所は作業内容もそれにともない難しくなる傾向があります。
工賃の高さだけでなく、無理のない範囲でできる作業内容であるかも含め、検討しましょう。
ビーハッピーの平均工賃について
ビーハッピーの平均工賃は、週3日以上通っている方で20,735円(※2023年6月分)でした。
厚生労働省が公開している「障害福祉サービス等報酬改定検証調査結果(令和3年度調査)」によると、就労継続支援B型事業の平均工賃月額は、生産活動の内容別で以下のようにまとめられています。
ビーハッピーの事業所は、下から4番目の「情報処理・IT関連」に分類されます。
表を参照すると、「情報処理・IT関連」の平均工賃月額は令和2年9月14,033円、令和3年9月12,607円です。
ビーハッピーに週3日以上通っている利用者さんは、全国平均よりも高い工賃をもらっているということになりますね。
本当に素晴らしいです!
最後に、利用者さんの工賃に対するリアルな感想をご紹介します。
他のB型事業所でブログを書いていたときは、時給が200円のまま上がらず、もらえる工賃は今よりもかなり低かったです。ビーハッピーはきちんと安定して通所していればしっかり工賃が上がっていくので、今の工賃に不満はありません。
B型事業所の工賃については事前に調べて知っていたので、もらえる工賃はだいたい想定通りでした。最近は通所日数を増やしたので、その分工賃も上がりました。この後はA型事業所を目指そうと考えていましたが、興味のある事業所の作業内容が似たようなものだったので、ビーハッピーで週に5日通える基盤を作ってから就職を目指す方向にしようかなと考えています。
全国平均と比べても、ビーハッピーの工賃は少なくないと感じています。私は月に何回か休んでいるので、週に3日以上通所している人の平均工賃には届きませんが、以前よりはだいぶ増えました。今の目標は、A型事業所と同じように休まず通うことです。
まとめ
さて今回は、就労継続支援B型事業所の「工賃」について詳しく解説しました。
これから事業所選びをスタートさせる方、すでに通所している方の参考になれば幸いです。
それでは、また別の記事でお会いしましょう!
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